自由

 誰かの発言や行為を正当に評価し正当に報酬を与え正当に非難する倫理を用意していない人々が多数派を占める環境に置かれた発言者は、何よりもその環境における生存が至上の目的となって、本来の役割を果たそうとしない。

 本来の目的を達成すること自体への報酬感を除き、生命維持や生計、社会的評価といったあらゆる個人の利益が発言によっては脅かされない環境でないと、人間は目的達成への純粋さ、率直さを発揮しようとしない。

 

 できるだけ社会的評価は自己にとっての利益にしないほうが発言しやすい。もしくは、社会的評価の仕方が正当に思える環境に身を置くこと。

 

 共同体内の構成員に対して「表現の自由」「言論の自由」「思想信条の自由」なるものを保証し,構成員の率直さに対する,権力による暴力の行使を予防すること。これによって,発言者も聴衆も正しさに対して誠実率直である環境が実現される。すると構成員各々の特性に応じた各々の幸福を組織的に達成する制度について,共同体そのもの共同体内の組織の目的を効果的に達成する戦略について,議論が進展をみせる。