思索態度

指導

ある種の人間は、とかくあらゆる物事の仕組みや根拠、理由といったものについて細かく言語化することを好む。害をもたらさない限り、その作業自体何ら悪いことではない。言語化好みの中には、当事者でないこと、自分が従事していない他人事について言語化す…

笑い

何の取り柄もなく、何にも熱中できず、何の興味も抱かない人間が他者より優位に立ちたければ、他者の仕草や特徴を目についたものからいちいち大げさに取り上げて、笑えばいい。できるだけ多くの人間を巻き込んで、笑いに変えるのだ。しかもできるだけ自分は…

いちゃもん屋

良識ある人間であれば犯さないような誤りを犯す人間への配慮を強制し、従わなければ社会的排斥を受けるよう仕向けるような、いちゃもん家の世界では生きていけない。そんな世界では、皆が皆保身に走って、自己を高めるのではなく、他者を操るように考える。…

生得の拡張

知的能力は生得的能力の延長にあって、増強された生まれながらの能力である。これを最大限活用すること。生まれながらの能力を抑えつけて獲得した"正しさ"は表面的である。率直さ。 知っていることを知らないふりをし、知らないことを知っているふりをしてい…

デッサン

言語は粗いデッサンのようなものに留めておくのがよい。言語という粗いデッサンを見聞きした人間のほうが想像力をはたらかせ、思い出してくれるから、論点になっていない限り、細部を強いて描写しなくともよい。 言語という媒体は、実際の物体だとか、実際の…

言語化

もしもそれを上手く運用できているのなら、そして運用こそが目的なのなら、強いてそれの仕組みを言語によって説明しなくともよい。ただし説明こそが運用に深く関わっている場合には、その仕組みを1度は説明してみよ。さらに説明は記録し保存しておくと有益で…

自覚

自分が眠いのかどうか、空腹であるのかどうか、目の前の人間に抱いているのが愛情か嫌悪かそれとも興味がないのか、などがわからないようでは、とてもイデアを把握しそれについて述べることなどできない。

道具は対象を選べ

魅力を言語で語ることに適した映画と、そうでない映画がある。"Gravity"や"Death in Venice"は前者に属するが、"Thr Godfather"や多くのブロックバスター映画、大ヒット作は後者に属する。 同様に、それが言語で、あるいは数学で、等々、君の持っている道具…

体系化の限界

過剰な体系化志向、すなわち異なる2つのことがらへの連関の無理強いが、まともな思考力をうばう。論理や厳密化は決して、筋肉に緊張を強いることではない。体系化可能な対象を、うまく選べ。

率直と保身

学究的でありながら同時に倫理的であることは難しい。なぜなら自己への誠実さや他者への率直さは保身すなわち配慮と対立するからだ。重症なのは、誠実さと保身とが混在してしまって、非難を避けることを「正しさ」と思い込むことだ。

輪郭線

"本質的"にぼんやりと曖昧なものは、ぼんやり曖昧なまま扱うのがよい。 時々,ぼんやりしたもの同士の繋がりが,明晰判明で厳密になることがある。 輪郭線の比喩。目前にある物体を縁取る黒い線などない。しかし白紙に描かれた輪郭線を見れば,確かにそれが…

発話のルール

「私自身が確かに納得のできること,反論の余地なく私自身を説得できることしか語らない」。私が考えるにあたって課すほんとうに最初の行動原理は,これだけでいい。 何も思わないのなら,黙っていなければならない。興味のあること,一過言のないことについ…

計画の限界

何かを学んで身につけたければ、学び方を考えるのではなく、ただ学べばよい。同様にして、ある種の作業やプロジェクトは、やり方を考えることによってではなく、ただやることによって前進する。というのも、そういった作業やプロジェクトの場合、実行を中心…